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センター長あいさつ

 極低温科学センターのルーツとなる東北大学における低温研究の始まりは,東北帝国大学に理科大学が開設(明治44年(1911年))された直後の大正2年に空気液化機が設置された頃にまでさかのぼります.その後,昭和4年(1929年)に金属材料研究所(金研)に低温研究室が開設され日本で最初の本格的な低温研究が始まります.そして,昭和27年(1952年)に待望のヘリウム液化機が日本で初めて金研に設置されることで日本の極低温研究の中心となりました.貴重な液体ヘリウムを利用するために全国から多くの研究者が集まり全国共同利用の先駆けともなりました.その後,学内ヘリウム利用の拡大に伴い,昭和46年に低温センターが設立され,平成8年に極低温科学センターに改組拡充して発展してきました.

 このような日本の低温研究の発祥としての歴史を持つ本センターは,将来にわたって本学の極低温科学研究を推進・支援するために,安定的なヘリウム供給と安全な液体寒剤,高圧ガス取り扱いの啓蒙普及活動を行い,あわせて極低温における物質科学と物理学研究に取り組んでいます.

 希少資源であるヘリウムの効率的な液化供給・回収システムの安定運用や研究者への適切な低温技術支援は,センター教員・職員の熟練技術と深い経験,そして高い研究サポート精神によって成り立っています.今後も伝統に立脚した高度な低温技術の発展・継承に努めるとともに,さらにユーザーフレンドリーな研究支援と低温研究の高度化を目指してまいります.みなさまのご協力,ご支援をよろしくお願いいたします.

平成26年4月
極低温科学センター長 佐々木孝彦